Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
しかし、伸子には病気の原因や理由をやかましく詮索するような感情がなかった。伸子は内臓におこった炎症の一撃でたおれた自分の状態をおとなしく、すらりとうけとった。
ゾンデをのまなければならないとき、伸子は両眼から涙をこぼし仔猫のようにはきかけた。マグネシュームをのみ、ひどい下剤を与えられるとき、伸子は猛烈な騒々しさといそがしさのあげくにぐったりした。黒いレザーをはった台の上に横たえられ、皮膚の白いすべすべした伸子の胴がはだかにされることがある。その右脇腹へフランネルの布の上から錫板があてがわれ、電気のコードが接続された。物療科の医師の白上っぱりが配電板のうしろへまわると、きまって、伸子が仰向いたまま配電板の方へこわそうに横目をつかってたのんだ。
「パジャーリスタ・チューチ・チューチ。ハラショー?(どうか、少しずつ。いいですか)」
そのほかのとき、伸子は明るく透明な雪明りに澄んだような気分ですごした。右の脇腹の中に黒くて柔くて重たいものがあって寝台から動けない、そのためになおさら心は安定をもって、ひろびろとただよい雪明りとともにあるようだった。伸子は、非常にゆっくり恢復の方へ向って行った。