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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

その前に、ひとめみせてと、きょうが誕生日であるきのう、素子が置いて行ったのだった。

紫水晶の重いあつかいかたはロシア風で、伸子はそれがブローチになったとしても紫水晶の重さにふさわしい豊満な胸が自分にはないと思った。二月の生れ月の宝石は紫水晶だからと、素子はその耳飾りを見つけて来てくれた。そして、伸子はよろこんだ。けれども、それはむしろ素子の心くばりに対して示されたよろこびというのがふさわしかった。伸子は、白い紙包みがあけられて、なかからその一対の耳飾りがあらわれたとき、宝石のきれいさに目をみはったと同時に心の奥には一種の衝撃を感じた。どこからみても新品でないその耳飾りは、それだからこそ金目と手間をおしまないいい細工なのだが、このことは伸子に刺すような鋭さで革命の時期を思わせた。はじめこれをこしらえさせて持っていた富裕な女の手からはなれて、この耳飾りが今計らず素子に買われるまで、どのくらい転々としたことだろう。どんな指が、富を表象するこの耳飾りをつかみ、そして離して来ただろう。

伸子のほんとの好みは、その純粋な美しさをたのしむ宝石のようなものこそ、新しくて、人の慾や恨みや涙にくもらされていないことが条件だった。