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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

新しくて美しい宝石が買えないのなら、伸子は全然買おうという気さえおこさなかったろう。でも、素子は買った。大病をしている伸子を慰めようとして。――

紫水晶の大きな粒にあたる光線の角度をほんの少しずつ変えながら濃紫色の見事な色を眺めているうちに、伸子は、露のしずくのようにあしらわれているダイアモンドがちっとも燦かないのを発見した。露は紫水晶からしたたって繊細な金の座金の上にとまったまま、白く鉱物性の光をたたえているだけだった。多計代の指にいつもはめられていた指環のダイアモンドが放ったような高貴なつよい冷たい焔のようなきらめきは射ださない。ウラル・ダイアと云われているダイアモンドの種類があったことを伸子は思い出した。それはアフリカから出るダイアモンドより質が劣っていると云われた。そんな話を、伸子は日本歌舞伎がモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ来たときにきいた。そのとき一行について日本から来ていた一人の婦人が、ロシアはダイアモンドがやすいと云ってウラル・ダイアをせっせと買っている、という風な噂話で。

伸子は、一瞬、見事なダイアモンドの指環をはめている多計代の、青白い皮膚のなめらかな細い指を思い出した。