Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
というものができてしまっているらしかった。それは、一家のみんなにとって圧迫的でないわけはない。珍しいところへ、あれこれかかわっていられない時間や旅程でガタガタ旅行をし、様々のものを見たり聞いたりすることは、うちの空気をすっかり変えるためにいいかもしれない。ほこりの種であった保を失った多計代が、また別の話の種をもつようになり、それに興味をもてば、どんなにみんなほっとすることができるだろう。出発前に、云わば旅行のために結婚が促進されたらしい和一郎と小枝が、三月十四日といえばたったもう二週間しかないが、急に式をあげるようになったことも、伸子としてはやっぱりうちのものの身になって祝福すべきだと思った。
泰造や多計代の世間の親としての立場とすれば、こんど長男の和一郎の結婚式こそ、はじめて子供を結婚させると言える場合なのだった。長女の伸子は、あんな騒動をして、親たちがいいともわるいともいうひまを与えずがむしゃらに結婚してしまった。伸子のときには結婚式もなければ、披露らしいものもなかった。それらのことで、あれほど親としての社会的な体面を傷つけられ、自尊心をそこなわれた多計代は、きっと和一郎の婚礼は佐々家の大事なのだからと言ってさぞ盛大にやることだろうと伸子は想像した。