Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

十七

何ぞというとチョルトという言葉をつかって悪態をつくロシアの大人や子供が、冬じゅうめばりをした家の中ではき出した大小無数のチョルトが、春になって開いた戸口からみんなにげ出して、やれやれと穴へもぐったかと思うと伸子はひどく滑稽だった。

「わたしのロシア語じゃ、とてもこんなおかしさは話せないしさ。それこそまったくチョルトだと思っておかしくって……」

伸子は安心を笑いにとかし出して素子とふざけた。

十七

手術しなくていいときまって、伸子はなるたけ一日のうちの長い時間をベッドから出て、起きている稽古をはじめた。三月中に退院することについて現実のよりどころができた。フランスでうちのものたちと合流するという計画も実際的に考えられて来た。三月十四日に間に合うように和一郎と小枝との結婚を祝う電報をうったなかに伸子はハハノケンコウノタメアメリカケイユデコラレヨと云ってやった。糖尿病からのアセモがひどくて、毎年夏は東京にもいられない多計代が、どうして真夏の欧州航路で印度洋の暑熱をとおって来る気になっているのだろう。伸子はだんだん考えを実際的にひろげて行って、それを無謀だと思った。