Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
そこからすこし歩いた小高いところに、名所の一つであるカール・マルクス館が建っていた。ひろやかな砂利道を入ってゆく中央に、丸々とした裸の子供が飾られている小噴水があり、それを灌木の低いしげみが囲んで、小公園の趣にベンチが置かれていた。各階ごとにテラスをもった近代風なアパートメントが、二棟、たてにつらなって建てられているために、窓々やテラスの見とおしが賑やかにゆたかな効果で印象づけられる。一方は、もとからある何かの建物の古びた煉瓦の高くない外壁で、他の一方はゆるい斜面にはさまれたさほどひろくない面積が、日あたりよく快適につかわれているのだった。
「どうです――労働者住宅ですよ、これが」
黒川隆三は、そう云いながら、第一の棟の地階の、廻廊になったところへ伸子と素子とをつれて行った。地階は、建物のあっち側へ通りぬけられる黒と白との市松模様のモザイックの廻廊だった。迫持天井に装飾ランプがつられていて、廻廊に面していくつかのドアが堅くしめられている。通路も、ごみの吹きたまりそうな廻廊の隅もこざっぱりと掃除がゆきとどいていて、しかも人影のないあたりの空気は、伸子に何だかなじみにくかった。