Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

「こっちの会社の案じゃあ、シャッテン・デス・ヨシワラ、に落ちつきそうなんです」

「シャッテンて?」

伸子がききかえした。

「影、ってんでしょう」

「――じゃあ……吉原の影?」

みんな黙りこんだなかへ川瀬勇がプーとつよくタバコの煙をふいた。そのタバコの煙のふきかたは、だまっているみんなが、そういう改題には不満である気持を反映した。

「やっぱり、そんなもんかなあ」

遺憾そうに素子がつぶやいた。

「それにしちゃあよく『太陽のない街』がそのまんまの題で出るんだな」

「そりゃちがうもの――出版屋からしてこっちのだもの。そういう意味から云えば、いっそ『何が彼女を』なら、そのまんまで行くのさ」

「そりゃそうですがね」

中館は伸子にききわけられなかったベルリンの興行会社の名を云った。

「あすこじゃ、あれを蹴ったんだ」

その同じ会社が、こんど中館の作品を買おうというのだった。

「ふうむ。そこなんだ、いつも……」

「――だろう?」

川瀬勇の眼玉のギロリと行動的な相貌と、太い黒ぶち眼鏡と重なりあっている濃い眉のニュアンスのつよい中館公一郎の顔とが、瞬間まじまじと互の眼のなかを見つめあった。