Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

十二

笹部のような名流子弟もいるわけだった。互に知らないベルリン在住の日本人の、ほとんどすべての顔をそこの主人は知っている一つの場所があった。それは「神田」という日本人のやっている土産店だった。

十二

津山進治郎は、ベルリンで出会った伸子の心の日々にはこういういきさつもあり、同時に、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)の一年四ヵ月というそこでの生活から彼女がここへもって来ているいろいろの生活感情がある。という事実にとんじゃくのないところがあった。

伸子たちが会うときは、とかくいつもくたびれているソフト・カラーがものがたっているように、金の使いかたのこまかい津山進治郎は、女づれでも、塩豚とキャベジを水っぽく煮たようなベルリンの小店の惣菜をふるまった。津山進治郎は世間でいうりんしょくからそうなのではなくて、彼のやりかたには、万事万端、何か一つのことを激しく思いこんでいて、わきめもふらずそれを追いこむことに没頭している人間の、はたにとん着ない馬力とでもいうようなものがあるのだった。

大柄のがっしりした体に灰色っぽい合服をつけ、ソフト・カラーで太い頸をしめつけている津山進治郎は、すこしねじれたように結んでいる、くすんだ色のネクタイをゆすって伸子たちに云うのだった。