Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
親たちの考え次第でどうなるかわからないというその事情が、和一郎をよけいにいらだたしくしているらしかった。
ヴォージラールのホテル・ガリックの屋根裏部屋の露台に出て、パリの夜空に明滅するエッフェル塔のイルミネーションを眺めながら、
「うちのものの状態は、思っていたよりわるいわねえ」
ディエナからおそく引きあげて来た伸子が素子に訴えた。
「あのひとたちのところには、なんだか、わたしにわからない感情のもつれがあるわ」
素子は、だまって考えていたが、
「とにかく、あっちはあっちで、もう少し自律的にやって行ける仕組みを考えなくちゃいけないね」
家族的な感情の沼から、伸子を扶けてぬけ出させようとするように素子が忠告した。
「そのことね。父は、あなたが見てもわかるでしょう? ちょっと、まあよろしくやっていてくれ、という風だわ。くたびれたのね」
「若い連中と、事務的にうちあわせておく必要があるよ、ぶこちゃん」
その日、夕方早めにホテルへ帰って来た小枝と二人で、伸子は、パリへ来てはじめて招待の晩餐に出かけようとしている多計代のために、裾模様の着物をそろえ、丸帯をしめる日本服の身じまいを手つだった。