Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
「ホテルとしてはたしかにいいけれど。――でも、お母様にはどうかしら」
荷物がごたついたなかに、つや子の寝台まで夫婦の寝室においているアンテルナシオナールの室の光景を伸子は思いくらべた。
「お母様には、こんなところ、きゅうくつじゃないかしら。ちんまりしすぎていて……」
多計代は、外国へ来ても、それが無作法でないかぎり、日本人の習慣で生活してわるい法はないと信じていて、そのとおり実行した。十三にもなった娘の寝台を、親たちの寝室のなかへおかせていることが、ホテルの召使いたちの目にどんな風に映るかなどということは問題にしなかった。伸子がそれとなく注意したとき、多計代は、
「伸ちゃんは、つや子がどんなに神経質だか知っているのかい?」
気色を害された顔で云った。
「お前ってひとは、何でもそうだ」
つや子を多計代からはなそうとするのを、防衛しようとでもするような眼づかいだった。
しっとりと物しずかなホテル・キャンベルの雰囲気と、多計代が身のまわりにもっている大がかりな空気とは、どこかそぐわないものであることを、泰造も直感したらしく、
「お前のおっかさんは、何しろひろい室でなくちゃ気に入らない人なんだから」