Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
「ヘエ――検校になった暁、経師屋の下職じゃ婿にならねえ――と」
「泣くな、大の男が見っともねえ」
「どう頼んでも多の市さんは聞いてくれません。心中をしようか、夜逃げをしようか、と何べんも切出しましたが、お浜はどうしても承知してくれません、――因業なようでも父親に違いないし、眼の不自由な者をたった一人捨てて、死にも逃げもならない――とこう言います」
「いい心掛けだな」
「私にはそのいい心掛けが嬉しくありません。三年越しの深い仲、こんな苦労をした挙句、大地へ額を擦り付けて頼んでも、添わせてくれない親が、そんなに大事なものでしょうか、親分さん」
「…………」
「もし検校などになる望みがなかったら、――あの千両近い金がなかったら、多の市さんも堅気の職人に娘をくれる気になったでしょう。私はお浜さんからその話を聞いて、本当に――いい気味だと」
「吉三、少したしなむがいい。それでなくてさえ、お前は疑われているんだよ」
「ヘエ――」
こんな純な若者を、平次もこの上追及する気にはなりませんでした。
「まア帰ってよく気を落着けるがいい、つまらねえ気を起してお浜を困らせるんじゃないぞ」