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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(七)平次女難

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme

Aozora Bunko

五

こいつは面白いぜ、なア彦兄イ」

「手前それは正気で言うのか、東作」

「正気も正気、この通り、酔っても寝ぼけてもいるわけじゃねえ。年は少し違うが、まだ厄前の東作に、十九のお富が不釣合とは言わさねえ。巾着切りの娘が巾着切りの女房、こんな似合いの縁があるものか」

「野郎ッ」

「まア、怒るな、彦兄イ。俺は二三年前から、お富坊に眼をつけていたんだ、――この縁談さえ承知なら三百八十両は結納代り、熨斗をつけて差上げるよ」

「…………」

東作の太々しさと、その企みの深さに圧倒されて、彦兵衛は燃ゆる眼に宙を見たまま、血の出るほど唇を噛みました。

浜町の家では、お富と徳之助が、平次に言い宥められながら、事情を知らないながらも、何やら吉報らしいものを待っていることでしょう。

五

お富を一人残して、徳之助だけ店へ帰すのは、彦兵衛の方では不可能なことでした。

死の一歩手前まで行った二人は、恥も外聞も、義理も体面も捨てて、もう一瞬も側を離れようとはしなかったのです。

幸い、増屋の主人三右衛門からの言伝で、二人を一緒にする前提として、しばらくは世間体を兼ねて、お富は浜町の父親の許に留めるのが穏当だろうということになり、迎えに来た手代に連れられて、灯の入る頃、徳之助は漸く横山町へ帰る気になりました。