Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
七
「これは、お前さんとこの総領かい」
「春吉と言いますよ、まだ六つになったばかりで」
「こんな可愛い孫があるのに、瓢々斎の祖父さんも、ろくに顔も見ずに死んだんだろう、気の毒な」
思わずそんな事を言う平次、佐太郎はさすがに顔を背けました。屏風の蔭では鼻を啜る音が――
「おや?」
ガラッ八はつと足下を見ました。気のきいた懐中煙草入が一つそこへ落ちていたのです。
「こいつはお前のかい」
平次はそれを拾って、佐太郎に見せました。
「とんでもない、そんな洒落たものを持てる身分じゃございません」
「こいつはとんだ良い物が手に入ったよ」
平次はそれを懐中に入れて、立去りました。
七
その足で平次は、遠州浜松の城主七万石松平豊後守の上屋敷に飛んで行き、御留守居の役人から何やら聞き出しました。
「今日の仕事は少し大きいが、合点か、八」
門を出ると、いつになくいきり立っております。
「どんな事をやらかしゃいいんで?」
「まア来てみるがいい」
二人はもう一度向島へ、――もう日は暮れかけております。
瓢々斎の遺した寮へ行くと、平次はいきなり下男の元助をつかまえたのです。
「御用ッ」
「あッ、何をするんだ、縛られる覚えはねえ」