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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(七)平次女難

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme

Aozora Bunko

銭形平次捕物控

一

一

両国に小屋を掛けて、江戸開府以来最初の軽業というものを見せた振袖源太、前髪立ちの素晴らしい美貌と、水際立った鮮やかな芸当に、すっかり江戸っ子の人気を掴んでしまいました。

あまりの評判に釣られるともなく、半日の春を小屋の中の空気に浸った、捕物の名人で「銭形」と異名を取った御用聞の平次、夕景から界隈の小料理屋で一杯引っかけて、両国橋の上にかかったのはもう宵の口。

小唄か何か口吟みながら、十六夜の月明りにすかして、何の気もなくヒョイと見ると、十間ばかり先に、欄干へ片足を掛けて、川へ飛込もうとしている人間があります。

「あッ」

と言ったが、駆け付けるには少し遠く、大きな声を出せば、すぐ飛込まれるに決っております。

思わず袖へ手が入ると、今しがた剰銭にとった永楽銭が一枚、右手の食指と拇指の間に立てて、ろくに狙いも定めずピュウと投げると、手練は恐ろしいもので、身を投げようとする男の横鬢をハッと打ちます。

「あッ、何をするんだ」

思わず飛込みそうにした欄干の足を引っ込めて、側へ飛んで来た平次に、噛みつきそうな顔を見せます。

「お、危ねえ、俺は河童の真似は得手じゃねえから、飛込まれたら最後見殺しにしなきゃアならねえ」