Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
三
お菊が背を見せたとなれば、匕首ぐらいは振り廻すはずですが、相手が大名と聞くと、威張り甲斐も暴れ甲斐もありません。仲に入る人があって、手切れが三十両、女から男へやって、これは無事に話がつきました。
それから九日、化粧と支度に大騒動をして、明日はいよいよ大名屋敷に乗込もうという前の晩――。
継父弥助の連れ娘、歳はお菊より二つ上の二十歳ですが、体が悪く不きりょうで、あまり店へも出さないようにしている、お吉と一緒に銭湯へ行って、途中まで帰って来たところを、――お吉が湯屋へ手拭を忘れて、それを取りに戻った間に、無慙、喉笛を掻き切られて死んでいたのです。
三
土地の御用聞、三つ股の源吉が、子分の安と一緒に飛んで来たのは、それから煙草三服ほどの後でした。
「何? お菊が殺された?――退け退け、邪魔だ」
源吉の塩辛声を聞くと、お菊の死骸に蠅のように群がった野次馬は、一ぺんにパッと飛散ります。
「徳松、――手前は、逃げちゃならねえ」
ウロウロする徳松は、源吉にグイと袖を押えられました。
「親分、あっしは知りませんよ」
「何を、誰が手前が下手人だと言った」
「ヘエ――」
「変な野郎じゃないか、あッ血ッ」