Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
「その小判をどうした、どこに隠してある」
後ろから八の差出口です。
「それが一向判りません、あの家から盗み出したのはこの私ですが、それをまた人に盗られてしまいました」
こういうお皆は、この上もなく質素な調度の中に暮しておりますが、何となく確り者らしい中年女でした。
「それはどういうわけだ」
平次も思わずせき込みます。
「詳しく申上げましょう。お聞き下さい、親分さん」
お皆の言うのはこうです。夫の多の市が検校になりたさの野心に燃えて、非道な高利貸を始め、生活を極度に切り詰めて、手強く意見をするお皆を裸にして放り出したのは今から十年前、お皆は人知れず娘のお浜と往来して、夫の心の解けるのを待ちましたが、多の市の非道と吝嗇は年とともに募るばかり、とうとう吉三郎とお浜の仲まで割いて、千両の金が纏まったのを機会に、いよいよこの月のうちには、京都へ上ることに決めてしまったのでした。
お皆は矢も楯もたまらぬ心持でした。お浜可愛さとそれを慕い寄る吉三郎のいじらしさ。その上自分が、十年の恐ろしい艱苦に晒されたのも、多の市が柄にもない検校になる野心のためと思うと、腹の底から忿怒が煮えくり返ります。