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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(七)平次女難

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme

Aozora Bunko

徳松の顎から下は、手も胸も、着物も斑々たる血潮に染んでいることに、源吉は気がついたのです。

「お菊の死骸を抱き上げた時、こんなに付きましたよ」

「何?――お菊の死骸を抱き上げたとき付いた血だ? 嘘を吐きやがれ、殺すとき付いた返り血を誤魔化せねえから、多勢の前でお菊の死骸を抱き上げて、血染の上塗をしたんだろう。そんな手を喰うものか」

「親分」

「誰か、この野郎がお菊の死骸を抱き上げる前に、着物にも身体にも血の付いていないのを見届けた証人でもあるかい」

源吉はそう言いながら四方を見廻します。「血の付いているのを見たか」と言わずに、「血の付いていなかったのを見届けた証人はないか」と言ったところに、野次馬心理を掴んだ源吉の働きがあったのです。こういえば、白洲の砂利を掴んでまでも、徳松の無実を言い立てようという、勇気のある篤志家は容易に出ないでしょう。

「親分、そいつは無理だ。あっしは何にも知らねえ」

「えッ、手前が知らなくたって、俺が知っていりゃ沢山だ。――お菊を追い廻したのは、手前の外にはねえ。落合の兄哥に遠慮して、土地の若い男は、門並御遠慮申上げているんだ。お菊に惚れただけの男なら、一束や二束はあるが、お菊を手に入れたのは手前だけよ。