Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
四
一応自分の長屋に帰って衣服を改め、髪を撫で付け、さて出かけようとして次の間の机の上に置いた文箱を取り上げて驚きました。
「あッ、これは?」
箱は違っているのです。紐の色、高蒔絵、いくらか似てはおりますが、よくよく見ると、まるっきり違った品で、金蒔絵で散らした紋も、鷹の羽がいつの間にやら抱茗荷になって、厳重にしたはずの封印もありません。
顫う手先に紐を払って、蓋を開けると、中は空っぽ――。
しばらくは夢見る心地、何の考えも出て来ませんが、やがて牛込見附の落馬騒ぎから、自分の長屋まで辿り着いた光景、着替えのために、しばらく文箱を隣室に置きっ放しにしたことなどがはっきり思い出されます。
四
「こういう訳でございます。御墨付が出なければ、そうでなくてさえ公儀に睨まれている大場家は明日とも言わず御取潰しになりましょう。御先祖大場甚内様、大坂夏冬の陣に抜群の御手柄を現わし東照宮様の御墨付を頂いたばかりに、この度御所領の騒動にも、格別の御沙汰もなく、御目こぼしになりました。――それにも拘わらず、大事の御墨付を失っては、御使者に立った父相沢半之丞も生きてはいられません」