Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
黒助はもとより、采女も半之丞も、あまりの事に言葉もなく互に顔を見合せるばかりです。
「馬は耳へ水を入れられると死ぬ、お前は折を狙って『東雲』の耳に水を入れ、馬のお上手でない相沢様を落馬させて、御墨付の文箱を摩り替えるつもりだったろう。――うまい折がなくて、牛込見附まで来ると、ちょうど引越車が通りかかった。お前は法被を馬に被せて、その下で水鉄砲の水を耳に注ぎ込み、思惑どおり気違いのようになった馬から、相沢様が落ちるところを狙って、かねて用意した文箱を摩り替えたろう。俺には目に見えるように解る」
「…………」
「子分の八五郎を相沢様の御長屋へやって、俺は馬の荒れた場所へ行ってみた。見当を付けた土手の下に、この水鉄砲を見付けるのはなんでもないことだったよ」
「…………」
「妹のお組は、兄の仕業と覚って、文箱の泥を丁寧に拭き取り、罪を自分一身に引受けて死んだのは見上げた心持だ。気が付けば殺すんじゃなかったが、縛られたまま舌を噛まれたので、手の付けようがなかった」
何という明智でしょう。こう説き明かされてみると、もう寸毫の疑いも残りません。
「俺はこの手で妹へ水をブッ掛けさせられた。