Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
六
さア帰っておくれ、お前なんかとは一緒に死んでやらないから」
どっと尻火を切った中に、観念の眼を閉じたお六の姿、八五郎はさすがにその手を取って引っかつぐ気力もありませんでした。
お六の開けてくれた入口から、転がるように外へ出ると、
「それッ、逃がすなッ」
飛付いた来たのは三人の悪者、――幸い大した腕でなかったとみえて、八五郎の死物狂いの襲撃に驚いて、パッと三方に散りました。
「手前たちは後で縛ってやる、凝として待っていやがれ」
岩も藪も一足飛びに――焔の中のお六に心引かれながら、密林の闇に飛込んでしまいました。
六
かくあるべしと期待した平次は、ガラッ八を山小屋に置いて、三枚橋のあたりに網を張って待ちました。
間もなくやって来たのは井上玄蕃と、御用金六千両を積んだ馬と、馬子と、青侍が二人、――函嶺の関所さえ越せば、あとは駿府から数十人の警護の者が来ていると聞いて、喜び勇んで函嶺の山道へかかったのです。
平次は舌打を一つして、見え隠れにその後に従いました。あれほど厳重に注意しておいても、平次の姿が見えなくなると、「何を岡っ引め」で、すぐこんな勝手な行動をする、井上玄蕃の頭の悪さに愛想が尽きたのです。