Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
「呆れた野郎だ、手前の言うことは、いちいち子供染みているよ、――子供と言や、いつかこの池で見付けた玩具の笛だが、こいつがどうも一と役買っているような気がしてならねえ」
「そいつをピーと吹くと、親分も子供付き合いが出来るというものさ」
「その気で一つ吹いてみるか」
平次はそう言いながら、竹笛を口に当てて、二つ、三つ、ピー、ピーと吹いてみました。
「こいつは夜っぴて吹いたって、浮れる気遣いはない、が、とんだ愛嬌があっていいね」
二人は声を合せて笑いました。どこからともなく、朧を染めるような梅の匂い――。
「おや?」
八五郎は早くも気が付いて池の後ろを指さしました。巌丈な金目垣、その一ヶ所に野良犬の潜る通路が一つあることは、平次も早くから目をつけておりましたが、その穴をガサガサと潜って、小さいものがヒョイとこっちの庭へ飛込んで来たのです。
「おや、春吉じゃないか」
佐太郎の一粒種、死んだ瓢々斎の孫に当る、あの可愛らしい男の児が、何の惧れ気もなく、縁側に並んでかけている二人の前へ歩いて来るではありませんか。
「小判をおくれよ」
おどろき呆れる平次の前へ、春吉は小さい手を出しました。