Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(七)平次女難

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme

Aozora Bunko

振り仰いだ顔の可愛らしさ。

平次はしばらく呆気に取られていましたが、やがて、何やら呑込んだ様子で、懐中から小粒を二つ三つ取出して、春吉の掌の上に載せてやりました。悲しいことに、銭形平次の懐中に小判などが入っているのは、一年に幾度もないことだったのです。

「また来るよ」

春吉はギラギラする小粒を、しばらくは怪訝そうに眺めておりましたが、それでも小判の仲間と思ったか、スタスタと金目垣に引っ返すと、元の穴を潜って、自分の家の方へ行きます。

「八、あれをどこへ持って行くか、見張っているんだよ」

「心得た」

囁く二人。子供はそんな事に構わず、気軽に歩いて、お勝手の前の井戸の側へ行くと、用心のためにしてある、厳重な蓋の隙間から、ポトリと中へ投り込んだのです。

「しめたッ、これで五千両の行方が判った」

平次とガラッ八は、表から飛出すと、大廻りに廻って佐太郎の家へ飛込みました。

*

平次はその晩下谷の松平豊後守上屋敷へもう一度行って留守居の役人に逢い、二十八年前に盗まれた、御用金の三千両を佐兵衛の倅の名で返しました。その上、正太(正吉)、元吉(元助)二人の悪人を召捕ったことを報告して、死んだ佐兵衛の遺族には、掛り合いなしという事にして貰いました。