Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
銭形平次捕物控
一
一
「親分、面白い話がありますぜ」
ガラッ八の八五郎、銭形平次親分の家へ呶鳴り込みました。
「相変らず騒々しいな、横町の万年娘が、駆落したって話なら知っているよ」
銭形の平次は、恋女房のお静に顔を当らせながら、満身に秋の陽を浴びて、うつらうつらとやっているところだったのです。
「へッ、そんなつまらない話じゃねえ。――ところでお静さん、――いや姐御って言うんだっけ――、親分の顔を当るのはよいが、右から左からいい男っ振りを眺めてばかりいちゃ、剃り上げないうちに、後から後から生揃って来ますぜ、へッへッへッ」
「まア、何という口の悪い八五郎さんだろう」
お静は真っ赧になって俯向きました。赤い手絡、赤い襷、白い二の腕を覗かせて、剃刀の扱いようも思いの外器用そうです。
「八、からかっちゃいけねえ。そうでなくてせえ、危なっかしくて、冷や冷やしているんだ」
「まア」
とお静。
「先刻も、止せばいいのに自分で襟を当って、少し剃刀を滑らしたんだ」
「自分の粗相にしても、姐御の頸筋へ傷を付けるのは虐たらしいねえ」
「その血染めの剃刀で俺の髭を当っているんだから、一つ間違って手が滑ると夫婦心中だ、ハッハッ、ハッ」