Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
三
三
「親分、大縮尻さ。こんなヒドい目に逢ったことはねえ」
ガラッ八が帰って来たのは、それから一刻(二時間)ばかり経った時分、四方はすっかり暗くなって乞食の死体も取り片付けてしまってからでした。
「解らないのか」
番太の小屋でガラッ八の帰りを待っていた平次、幸先が悪いと見たか、やおら立上がって、煙草入を腰に落します。
「小屋頭を尋ねて、編笠乞食の身許を訊いたが、どうしても言わねえ。堅気の方が身を落したのは仲間の定法で元の名前は申上げられません。どうせ、こうなった身体だから、そんな事はどうでもいいじゃございませんか。それに、あの編笠野郎は、余程深い仔細があると見えて、自分からも言いません――とこう吐かしやがる」
「フム」
「その代り遺骸はこっちで引取り、回向万端手落なく致させます――てやがる。お貰いの仲間にも、坊主も穴掘りもいるんだってネ、親分」
「そんな事はどうでもいい、が、変死人と解っても、身許が解らなきゃア、何にもならない」
「ところが、親分、面白い話を聞込みましたぜ」
ガラッ八は、例のキナ臭いような鼻をしました。これは何か嗅ぎ出した時の表情です。
「何だ、八、物惜しみをせずに、言ってしまいな」