Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
親分、三輪の万七の子分、お神楽の清吉だろうじゃないか。――手前の親分の平次は、三輪の縄張を荒らして、事ごとに恥をかかせやがる。今度という今度は、その敵を討ってやるから、覚えていろって言やがる」
「何だと八、敵を討つ?」
「清吉の野郎は確かにそう言いましたよ、親分、身に覚えがありますかえ」
「馬鹿、敵の覚えなんかあってたまるものか、――それから娘はどうした」
「そんなに揉んでいるんだもの、女の足だって請合い箱根の関を越す」
「つまらない事をいうな、とうとう縮尻やがったろう」
「だって親分」
「三輪の子分なんかに掛り合っているから悪いんだ。そんな時はな、八、後学のために言っておくが、殴られ損にして逃げ出すんだ」
「…………」
「見ろ、埃と汗と涙で、台無しじゃないか。往来の人が見て笑っているぜ」
「…………」
「よくその扮装で、浅草橋御門から駆けて来たものだ。そっちを向きな」
口小言を言いながらも、平次の眼も泣いておりました。汚れ傷ついて来た飼い犬でもいたわるように八五郎の身体をクルリと廻して、せめてもの埃を叩いてやっております。
「親分、あっしは口惜しい」
「何をつまらねえ、――三輪の兄哥が、神田か日本橋で、何か嗅ぎ出したんだろう、――ところで、八、ここから浅草橋まで行くうち、娘は後ろを振り向いて見なかったか」