Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
「そうらしいな」
そう言いながらうなずく平次の眼には、満足らしい輝きがありました。
しばらくは言葉が途切れて、お勝手の方の人声が、ザワザワと聞えます。妙に押し付けられたような、不安と恐怖を孕んだ声です。
「どうしましょう、石見銀山は見えませんよ、旦那様」
お越は飛んで来ました。肝腎の平次には眼もくれずに、主人の源吉に訴える眼差です。
「どうしたんだ、誰が盗ったんだ」
源吉もひどくあわてました。
「私が隠しておいた戸棚の上にはございません」
「お前が隠し場所を間違えるような事はあるまいな」
「いえ、そんな事はありません、他の物と違って」
「その隠し場所を知ってるのは、お前だけか。他に、誰か知っている者はないか」
平次は口を容れました。
「…………」
お越はギョッとした様子で振り返りましたが、すぐ激しく首を振って、
「誰も、誰も知ってるはずはございません。私が隠したんですから」
「疑いはお前にかかるが、それでも構わないのだな」
「構いません、え、少しも構いませんとも」
お越の声は激情に上ずります。きれいな方の半面はカッと血に燃えて、どんな犠牲でも忍びそうな、この女の馬鹿正直さが、人を圧倒するのでした。