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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(七)平次女難

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme

Aozora Bunko

「味噌汁を食わない者は何ともなかったというが、誰が一体味噌汁を食わなかったんだ」

平次の問は核心に触れます。

「それは――あの」

主人の源吉は思わず言葉を滑らして、ギョッとした様子で口を緘みました。

「旦那様」

お越は、飛びかかって、主人の口を塞ぎそうな気組みでした。

「飯や香の物には仔細はなかったそうだ、――これはご主人の言ったことだ。飯や香の物だけを食って、味噌汁を食わないのは誰だい」

「…………」

「この家の中に、石見銀山の中毒にかからなかったのが一人あるはずだ、そいつは誰だい」

「…………」

ワナワナと動く主人源吉の唇を、お越は必死の目くばせで封じている様子です。

「八、店かお勝手へ行って、家中の者で、毒に中らなかったのは誰か訊いて来てくれ」

平次は事面倒と見て、八五郎を動員しかけたのでした。

「ヘエ」

立上がる八五郎、――が、その身体が部屋の外へ出るのを、外から押し戻すように、

「申しましょう、味噌汁の毒に中らなかったのは、この私でございましたよ」

そう言って入って来たのは、二十七八の年増、まだ美しくも若くもあるのを、自棄に汚な作りにしたような、白粉っ気のない女でした。