Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
「嫂だけじゃないよ、毒は家中の者が呑まされたんだ」
「…………」
ガラッ八は黙ってしまいました。これ以上は考えたところでガラッ八には判りそうもありません。
「親分さん」
不意に、お勝手の障子が開きました。
「何だ、お越じゃないか、用事でもあるのか」
平次は踏台にかけたまま、グルリと向き直ります。
「一つだけ申し忘れましたが」
「何だい」
「御新造さんが昼頃になって、少し気分がよくなったが、喉が渇いて仕様がないから、水が欲しいとおっしゃいました」
「フム」
「何しろ毒に中てられたのが五人もある騒ぎで、その時は誰も側に居てくれません、――私は這うようにしてお勝手へ参り、薬缶と湯呑を持って来て、御新造さんに呑ませましたが――」
「お前は呑まなかったのか」
「湯呑が一つしかなかったので、私はもう一度お勝手へ行って、水甕からくんで呑みました。――二度お勝手へ行ったわけですが、水を呑んでから気分が清々して、御新造さんのところへ帰って来ると、――」
「…………」
「七転八倒の苦しみでございました。びっくりして大声を出すと、たった一人御無事なお松さんと、旦那様のお手当てをしていなすった、本道の全龍さんが飛んで来て介抱して下さいました」