Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
「お松さんと全龍さんは一緒に駆け付けたのか」
「いえ、お松さんの方が先で――」
「それから」
お越の話に、何やら重大さが匂うのでしょう、銭形平次は少し夢中になって、踏台から乗出しました。
「それっきりでございます」
お越の顔は――今朝の中毒のせいか、まだ真っ蒼です。
「まだ何かあるだろう、――みんな言ってくれ、大事なことだ」
「いえ、もう何にもございません」
「その薬缶はどこへやった、奥にもここにも見えないようだが――」
平次は四方をキョロキョロ見廻しました。
「その後で旦那様が、その水を呑もうとなすったので、私がお止めしました」
「それはよかった」
「また誰か呑んでも悪いと思って、みんな流しへ捨てて薬缶はよく洗って戸棚に仕舞い込んでしまいました」
「何という馬鹿なことするのだ、仕様がないなア」
平次はそう言いながら、水下駄を突っかけて流しの外を見廻りました。
「親分、毒はとうに流れましたぜ」
少し茶化し気味のガラッ八の顔がそれを覗いております。
「だがな、八、下水の中に、蚯蚓がうんと死んでいるぜ、――こいつは見ておく値打はあるだろう」
平次はそう言って、虫唾の走るような顔をお勝手に戻しました。