Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.562 Zeichen · 291 Bildschirme
六
六
「親分、あっしはあの手拭が気になってならねえ、寺の方を捜してみちゃどうです」
「俺もそれを考えていたよ、行ってみようか」
二人はグルリと一と廻り、寺の表から入って行きました。
かなりの伽藍ですが、住職は七十以上の老人、それに小僧はまだ十二三、何を訊いても一向埒があきません。
裏へ廻って墓場から、石塔を積んだ足場のあたり、忍び返しまで調べましたが、何の変ったこともなく、ただ曲者がここから脱出したところで、寺の門を通って往来へ出てしまえば、どうすることも出来ない事だけが判然解ったくらいのものです。
「親分、ここにも手掛りはありませんね」
「がっかりするなよ、八、俺には手掛りがあり過ぎるほどなんだ」
「ヘエ――」
「逃げ込んだ木戸へ、手探りで輪鍵を掛けたり、忍び返しの外れた場所を知っていたり、――そんな事をする人間はどこにいると思う」
「なるほど、この寺の近所というわけですね」
「その通りだよ、早速、お隣の其月堂宗匠に逢ってみようじゃないか」
二人は寺の隣に、しもたや風の心憎き住居を訪ねました。
耳が遠いから、俗用は召使の者に――と言うのを、神田の銭形平次と名乗って、押して逢って貰いました。