Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(二)八人芸の女

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.562 Zeichen · 291 Bildschirme

Aozora Bunko

二

二

越前屋の番頭徳三郎の話は、いかにも雲を掴むようでしたが、それだけにかえって、何とも言いようのない危機が、越前屋一パイに孕んでいることは受取れました。

先代の総七が死んだのは三年前、今の主人の総七はもと千吉といった遠縁に当る手代で、家付の娘お信と一緒にされ、越前屋の大身代を相続しましたが、半年前女房のお信が怪しい死に様を遂げてからは、独り者の総七は、放埒に身を持崩して徳三郎の言うことなどは、耳にも掛けてくれないと言うのです。

それだけなら何でもありませんが、家の中には一年前から二た組の異分子が入り込み、いずれも主人顔で奉公人を使い廻しているのでした。一組は先代総七の弟で、総七存命中は、義絶同様、敷居も跨がせなかった勝造と、その娘のお勇、もう一組は、先代の総七、勝造兄弟には甥に当る菊之助という若い男と、それに付き纏って離れない、お粂という商売人上がりの年増だったのです。

「今の主人の総七様は、元は私どもの朋輩でございますが、気の優しい良い方で、道楽さえ内輪にして下されば、申分のない主人でございます。が、勝造さん親娘と、菊之助さん夫婦は、何を企むか、解ったものじゃございません。