Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
「ヘエ、若旦那(金次郎)ほどじゃありませんが、――なにぶんお店の仕事が忙しくて、お相手も出来なかったようなことでね」
喜八は華客様の前へ出たように、揉手などをしているのです。
「すると、坊っちゃんが死んで、あまり得の行く人間はないわけだね」
「ヘエ――、まアそんな事で」
不得要領のまま、ガラッ八は養子の金次郎に鉾を向けました。
「そんな事があるものですか、万吉を殺したって、何にもなりゃしません。あんな可愛い子を、誰が」
ガラッ八の疑いを一挙に粉砕する意気込みで、金次郎は突っかかって来るのです。二十五にしては若々しい男で、なんかこう情熱的なものを感じさせる、若旦那型の変り種でした。
「そうかも知れない、が」
ガラッ八は妙に言い捲られます。
「それに違いはありませんよ。馬鹿らしい。子供が井戸へ落ちる度に、お上の御厄介になった日にゃ」
「あれ、お前さん」
若い女が後ろからそっと金次郎の裾を引きました。金次郎の女房のお島というのでしょう。まだ二十歳そこそこの、こればかりは美しいきりょうで、身だしなみもよく、態度も初々しく、妙に色っぽさを持った取廻しです。
「放っておくがいい。