Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
地味な風をしておりますが、ちょっと良い男でどこか笑顔に人をそらさないところがあります。
「お前さんは?」
狭い家、初夏の風が吹き抜くように開けっ放してあるので、平次は坐ったままで、客の物腰がよく見えます。
「上総屋の番頭で、仙之助と申します。八五郎親分にお願いして、主人の隠した金を見付けて頂こうかと思いましたが、八五郎親分は、銭形の親分さんにお願いした方がいいとおっしゃるので、先刻から門口を拝借して、お待ちしておりました」
若い番頭はそれだけの事を言ううちにも、すっかり恐れ入って、立て続けにお辞儀をしております。
「宝捜しは困るよ、番頭さん」
「ヘエ――」
「上総屋の案内を知った者が、幾日かかっても解らないというのに俺が行ったところで解るわけはない。そいつは岡っ引より易者へ行く方が早いぜ」
平次は宝捜しにまでコキ使われる馬鹿馬鹿しさが我慢がならなかったのです。
「でも、それじゃお嬢さんが可哀想でございます」
「お嬢さんが?」
「上総屋に金があればこそ、親類も知合いもあの通り肩を入れてくれますが、何にもないと判ったら、どうなることでございましょう。それにせっかく纏まりかけた縁談も、お気の毒なことに駄目になります」