Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
――その三十八両の金は十年も稼いで溜めた金で、少しも怪しいものじゃございません」
伝助は両掌を合せながら、ズルズルと土間を引摺られるのでした。
「馬鹿野郎ッ、十年で三十八両溜める辛抱人が、三年で二十両の利息のつく金を借りるか。つまらねえことを隠し立てすると、人殺しの罪まで背負わされるぞ」
平次の調子は峻烈でした。
「申します、申します。私が悪うございました。――丸屋の旦那が行方知れずになったと聴き、三日三晩考えた揚句、暮しの苦しさに負けて、四日目にとうとう――」
「どうした?」
「ここへ忍び込んで、店にあった金を盗み出しました。そのとき小僧の要吉さんが眼を覚したので、用意の薪で殴って逃げただけでございます。それだけでございます。親分さん、丸屋の旦那は、三年の間私から高い利息を絞ったことを考えると、それぐらいのことは当り前でございます」
伝助はわけの解らぬ泣き言を並べながら、土間に額を埋めて、言い廻るのでした。
「そいつは罪になるかならないか、お白洲で申上げてみるがいい、――ところでお神楽の兄哥、なんだって、この野郎を縛らなかったんだ」
平次は蟠りのない問いを持出しました。