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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

番頭の佐助もその辺のことを薄々は知っていたようで――」

「お桃さんがね」

平次は妙に裏切られたような心持でした。大して聡明そうにも見えない、平凡そのものの娘が、捕物の名人銭形平次の先を潜って、裏の裏まで物を見窮めていたのです。

だがしかし、このお桃の聡明さの判ったことが、どんな恐ろしい結果になるか、三郎兵衛も、当人のお桃も気が付かなかったでしょう。平次は緊張した心持で、暮れかかる外を見やりました。

それからほんの半刻(一時間)、平次も八五郎も、不思議な焦躁に、凝としていられないような心持でした。

店の小僧たち――よく朋輩の事を知っているのに聴くと、梅吉は奈良屋の身代を乗っ取るために、倅の幾太郎を勘当させて、娘のお栄を手に入れることに熱中していた証拠が、次から次へと挙がって来ます。

坊っちゃん育ちで人の好い幾太郎は、完全に梅吉の傀儡になって、父の激怒に触れたり、座敷牢に入れられたり、そこを脱出して女に逢ったり、それをこの上もなくロマンティックな遊戯と思い込んでいたのでしょう。ゆうべ囲いの中にいるのが、幾太郎ではなくて、替玉の梅吉だったと信じて殺したなら、下手人は?――そこまで考えると、平次も八五郎も、なんとなくイヤーな心持になります。