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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

三郎兵衛はそれが言いたかったのです。多分、幾太郎が縛られたと聴いて、おどろいて身代りの秘密を打明けたお桃の言葉を聴くと、矢も楯もたまらず、平次を呼んだのでしょう。

平次は黙って顔をあげました。まだ言い足りない、聴き足りないもののあるような気がしたのでした。

「親類一統に相談した上とは言いながら、座敷牢の中へ入れられて、逃げ出せば出られるのに、黙って二た月も我慢していた倅の心持も、少しは考えてやる気になりましたよ。倅は道楽者で、始末の悪い人間には違いないが、その倅の背後で、糸を引いていた人間のあることに、私は気が付かなかったのです」

三郎兵衛の述懐は、次第に父親らしい愚痴になります。

「で、その糸を引いてるのは誰で?」

「殺された梅吉ですよ。倅をけしかけて私の手文庫から、東叡山御造営の大事な見積り書を盗み出させ、私と張り合っている深川の材木屋に売らせたのも、今から考えるとどうも梅吉の細工らしい。それから、お艶とかいう女に夢中にさせたのも、私へ食ってかからせたのも――」

「それはどうして解ったのです」

「みんなお桃が探ったり聴いたりして、胸一つに畳んでいたのを、倅が縛られたと聴いてみんな私に話しましたよ。