Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

「もう少し詳しく話してくれ。その草加で育ったお前が、どうしてこの大坪様の子だと名乗ったんだ」

お関の話は、少なくとも平次とガラッ八には奇っ怪なものでした。

それは、今から十九年前のこと、旗本大坪石見の奥方は、娘浜路を産んで間もなく亡くなり、嬰児は草加の百姓午吉夫婦に預けられて、三つになるまで育ち、それから小日向の大坪家へ帰されたのですが、お関に言わせると、午吉夫婦は自分の娘お関が、里子の浜路と、よく似ているのを幸い、娘をゆくゆく大旗本の跡取り娘にするため、人知れず取換えて育て上げ、浜路をお関にして手許に留めおき、お関を浜路として、三つになる時小日向のお屋敷へ返した――というのでした。

「私も、そんな事とは知らず、午吉夫婦の娘のつもりで、浅草で小さい荒物屋の店を出している偽の両親のところで育ちましたが、今から一と月前、母親が病気で死ぬとき、――これは一生言わないつもりだったが、黙って死んでは冥途の障り、何がどうあろうとも、言わずに死ぬわけには行かないと、父親の留守中に、そっと私に話してくれました」

あまりの事に、平次もガラッ八も、用人小峰右内も、開いた口が塞がりません。