Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
「母親が死んだ後、父親の午吉は年にも恥じぬ放埒で、家へ寄り付いてもくれません。思案に余って、昔からの知合いで、私を里子に出す時世話をしてくれたという、このお屋敷の婆や――お篠さんを呼出して相談すると――」
「…………」
話の重大さに、聴く方がツイ固唾を呑みました。お関の浜路は、何の作意もなく静かな調子でつづけます。
「お篠さんに話をすると、最初はひどく驚いていましたが、急に乗気になって、――お嬢さんの婚礼が明日に迫って、今更どうしようもないが、実はお嬢さんはひどくこの祝言を嫌がっている。無理に三杉さんの御次男を迎えたら、三日経たないうちに、お嬢さんは自害をするに違いない。急場の凌ぎが付いたらまた何とかなろう。お前が本当にこの屋敷のお嬢さんなら、ちょうど仕合せだから、今晩そっとやって来て、お嬢さんと入れ換ってくれという頼みでした」
「…………」
「私に否やのあろうはずもありません。今ではどこへ行く当てもない私、浅草の荒物屋へ帰ったところで、明日の暮しの工夫もつかない私ですもの。お篠さんの頼みの通り、お嬢さんと入れ換って、翌る朝、お篠さんに見付けられたように仕組みました」