Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme

Aozora Bunko

御目付衆の耳にでも入ると面倒だ。何とかよいように頼むよ」

「かしこまりました。御当家の落度ではございませんから、決して御迷惑になるような事はいたしません。ところで――」

「何か訊ねたいことがあるのか」

「お嬢様が三つで里から帰られたとき、何かこう――変だな――と思召したことはございませんでしょうか」

「忘れたよ、平次。奥でも生きておれば、また何か思い付くことがあるかも知れないが、その頃私は甲府の御勤番でな」

「御尤もで。――もう一つ承ります。三杉様御次男との御縁組は変更は出来なかったのでございますか」

「早く婿を欲しいと思ってツイ娘の気も知らずに運んだ私の落度だ。が、武士と武士との約束は容易に変更の出来るものではない。娘が嫌だと申しますからと言って縁談を断わるわけに行かないよ」

「もし、お嬢様が御無事でお戻りになりましたら、やはり元の縁談をお進めになるつもりで――」

「娘の病気と言って祝言を伸ばしてあるが、下人の口がうるさいから内々三杉家では承知しているかも判らない。向うから断わってくれば一番無事なのだが――」

武士たることの悩み、人の子の父たることの悩みに、大坪石見は分別らしい顔を伏せました。