Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.130 Zeichen · 288 Bildschirme
「お嬢さんはどこへいらっしったんだ」
右内は我慢がなり兼ねて口を挟みました。
「それは判りません。私は庭木戸の外でチラと見たっきりですもの。――でも、そこには、若いお侍が待っている様子でした」
「若いお侍? 顔を見なかったのか」
「何にも見ません。背が高くて真っ直ぐにシャンと立っていたことだけは気がつきました。縁側の戸を開けて、お篠さんが呼んでいるので、大急ぎで入ったんですもの」
お関の浜路の言葉はあまりにも常識の桁を外れますが、ことごとく作り事にしてはあまりによく筋が通ります。十九年前この屋敷の奥方が亡くなって嬰児浜路を草加へ里子に出したのも事実、その浜路が十九になって、婿選みという段になった時、父親の気に入った三杉の次男要之助をひどく嫌っていたことも事実です。
「右内、困った事になったのう」
唐紙を開けてズイと入って来たのは、五十を幾つか越したらしい立派な武家――主人大坪石見でした。
「殿様、さぞ御心配なことで。――私は神田の平次でございます」
平次は丁寧に膝を直しました。
「御苦労だな。――近ごろ神田の平次というと大層な評判だから、右内がとやかく言うのを、私から頼むように言ってやったのだよ。