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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十三)青い帯

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.244 Zeichen · 231 Bildschirme

Aozora Bunko

気の毒なことに、身に着いた赤いものは、可愛らしい唇だけという有様で、朝から晩までこき使われるらしく、見る影もない痛々しい姿ですが、不思議な美しさが、その底から輝いて、ジッと見ていると、涙を誘われるようないじらしい娘でした。

「お前は主人を怨んでいるだろうな」

八五郎は親分の平次の調子でズバリとやってみました。

「…………」

黙ってそこの八五郎を見上げた眼には、見る見る涙が溢れます。

「給料を貰ったことがあるのかい」

娘は黙って頭を振りました。

「主人をうんと怨んでいるのは誰と誰だ」

「…………」

娘はそれにも答えません。

「止すがいい、八兄哥。その娘の口を開かせるよりは、田圃の地蔵様を口説く方が楽だぜ。俺はもうさんざん手古摺ったんだ」

無用の努力と思ったか、源吉は八五郎を促して家の外廻りをグルリと一巡しました。

「ここは?」

物の気配を感じて、八五郎は納屋を覗きました。

「作男の松蔵がいるよ。その男はいちばん寅五郎を怨んでいるはずだが、――下手人にしちゃ少し正直すぎるよ。仏松蔵と言や、この辺で知らない者のない老爺だ」

「仏松蔵か」

八五郎はそれを口の中で繰り返して、物置の世帯を覗きました。