Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.244 Zeichen · 231 Bildschirme
三
五十男の佐吉は、平次には幾度も幾度も助けられているので競争意識を離れて、ガラッ八にこう話して聴かせるのでした。
弥惣の家は小体ながら裕福そうで、紅屋の支配人と言っても恥しくないものでしたが、検屍が済んで土蔵から死骸を移したばかりなので、上を下への混雑です。
「気の毒だが、銭形の親分ところの八五郎兄哥がちょっと拝んで行きたいと言うから――」
佐吉が弁解しながら入ると、
「どうぞ、よく御覧下さいまし。私はどうも、親父が怪我や過ちで死んだとは思えませんが――」
そう言って案内してくれたのは、死んだ弥惣の倅で、二十五になるという弥三郎でした。もとはどんな暮しをしたか判りませんが、商人には向きそうもない肌合いの男で、少し取りのぼせてはいながらも、言うことはひどくキビキビしております。
「あ」
膝行り寄って線香をあげて、死骸を覆った巾を取りのけて、物馴れたガラッ八も思わず声を立てました。
「ね、親分さん、あんまり虐たらしいじゃありませんか。万一あれが過ちでなかったら、仏は浮かばれません」
弥三郎は側から血走る眼で見上げます。
死骸は全く二た目と見られない無慙なものでした。