Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.244 Zeichen · 231 Bildschirme
四
なんとはなしに寒気がするような情景の中に、八五郎は精いっぱいの注意と、柄相応の威厳とで調べを始めました。
「親分さん、御苦労様で――」
若主人の藤吉は役所から帰ったばかりの顔を出します。二十三というにしては、ひどく若々しいのは、大店の懐ろ子に育って、世間の風にもあまり当らなかったせいでしょう。弥三郎のような苦味走った好い男ではありませんが、おっとりしてなんとなく好感を持たせる男です。
「こんなところに八千両の大金を隠してあったのは、誰と誰が知っていなすった」
ガラッ八は始めました。
「亡くなった父親と、私と、それから番頭の彦太郎だけでございます」
「番頭の彦太郎?」
「私でございます」
四十二三の月代の少し光る男が、若主人藤吉の後ろから臆病らしく小腰を屈めました。小男で、お店者らしい青白さで、どこかへ置き忘れられたような男ですが、商売の道には賢い様子です。
「死んだ弥惣は知らなかったのか」
ガラッ八は突っ込みました。
「知るはずはございません。弥惣は昨今の者ですから」
若主人の藤吉はきっぱりと言いきります。
「いえ、若旦那のお言葉ですが――親父は紅屋の支配人ですから知っていたに違いないと思います。