Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.244 Zeichen · 231 Bildschirme
銭形平次捕物控
一
話はその大夕立の時から始まります。
お秀と仲好しで、向柳原の油屋の娘お勢という十九になる可愛いのが、少しでも早く行って、お秀さんに手伝って上げようと思ったばかりに、うっかり傘を忘れて飛び出し、柳橋の手前であの大夕立に逢ったのです。
ブチまけるような雨足で、逃げも隠れもする隙がありません。夢中で飛び込んだ軒下は運悪く空店で、その先は材木置場、二三軒拾って安全な場所へ辿り着くまでに、お勢の身体は川から這い上がったように、思いおくところなく濡れておりました。
この夏、母親にねだって拵えて貰った、単衣の帯が滅茶滅茶になって、泣きたいような心持ですが、どうすることもできません。一度家へ帰ってともかく乾いたのと着換えて来ようと、小止みになった雨足を縫って歩き出すと、ちょうどそこへ、蛇の目をさして通りかかったのは、同じお秀のところへ行く、お紋という二十二三の中年増でした。
「まア、お勢ちゃん、大変ねエ――その姿で町を歩くと、身投げの仕損ないと間違えられるわよ。お秀さんの家はすぐそこだから、ともかく浴衣でも借りて帰っちゃどう?」
「そうね」
お勢もツイその気になりました。