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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十三)青い帯

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.244 Zeichen · 231 Bildschirme

Aozora Bunko

一

「八、厄介なことになったぜ」

銭形の平次は八丁堀の組屋敷から帰って来ると、鼻の下を長くして待っている八五郎に、いきなりこんなことを言うのです。

「何かお小言ですかえ、親分」

「それならいいが、笹野の旦那が折入っての頼みというのは、――近ごろ御府内を荒らし廻る辻斬を捉えるか、せめて正体を突き止めろというのだ」

「へッ、ヘエ――」

ガラッ八の八五郎さすがに胆を潰したものか、固唾が喉に引っ掛って、二度に感嘆しました。

「笹野の旦那はこうおっしゃるのだよ――この夏あたりから噂は聴いていたが、三日に一人、五日に二人罪のない人間がお膝元の江戸で、人参牛蒡のように斬られるのは捨ておき難い。いずれ腕自慢が高じての悪業であろうが、近頃は斬った死体の懐中物まで抜くというではないか。このうえ知らぬ顔をしては、御政道の瑕瑾と相成る。御家中若年寄方にもことごとく御心痛で、町方へ強っての御言葉があった――ということだ」

「ヘエ――大したことになりましたね、親分」

それは全く大したことでした。

この夏あたりから始まった辻斬騒ぎ、最初は新刀の切れ味を試す心算でやったのでしょうが、二度三度と重なると、次第に悪魔的な興味が高じて、神田一円に九段から両国まで荒らし廻る辻斬の狂暴さは、さすがに幕府の老臣方の目にも余ったのです。