Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十三)青い帯

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.244 Zeichen · 231 Bildschirme

Aozora Bunko

なるほどそういえば、音松の持っていたのは匕首が一口だけ、その辺に太刀も脇差も落ちてはいません。

「ヘエ――」

八五郎、少し拍子抜けがしました。

「その野郎の懐中を捜ってみるがいい」

「…………」

縛られた音松の懐中へ手を入れると中に呑んだのはよくふくらんだ紙入が一つ。逆さまにすると、バラバラと二三十枚の小判が散ります。

三

音松を責めるまでもなく、事情は至って簡単に分りました。音松はやはりただの安やくざで、獅子の屠った獲物を漁る野狐に過ぎなかったのです。その告白を聴けば――

「あっしも一度あの辻斬にやられましたよ。駿河台で摺れ違いざまピカリと来たとき、捨石に躓いて転んだのが命拾いでした。転がりついでに石垣の下まで落ちて、死に物狂いで逃げたが、あとで考えると口惜しくてたまりません。幸い辻斬野郎が年寄りと女には手を出さないと聞いて、この通り年寄りに化けて杖まで突いて毎晩駿河台で張っていると、三日に一度、七日に一度、月のない晩に限って、辻斬野郎の出かけるのを見かけるんです。それをそっと跟けて行って――こいつは命がけの仕事だが――斬られてヒクヒクする奴の懐中を探ると、大概三両五両から、多いときは五十両にもなるんだからこたえられねエ」