Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.244 Zeichen · 231 Bildschirme
間取りの具合などは、おおかた八五郎に訊いておりますが、平次の馴れた眼で見ると、いろいろ考え直すこともあります。お勝手は入口の左手へグッと遠く建って、右手には二階への梯子段があり、その梯子段の下を廻ると、便所に通じますが、二階から便所への往来にお勢の殺されていた四畳半を覗くためには、少しばかり横の廊下へ入らなければなりません。
問題の四畳半は昼でも薄暗く、中の死体は油屋で引取りましたが、何もかもそのまま、障子に付いた血も、匕首で刺した穴までが、肌寒くなるような無気味さです。
平次は中へ入って一と目見渡しました。長押の裏、押入、煙草盆――と丁寧に見て来た上、吐月峰を覗いて何やら腑に落ちない顔をしております。
「親分、どうしました」
とガラッ八。
「お勢は葛根湯を飲まなかったらしいよ、吐月峰の中は薬で一杯だ」
「へエ――?」
「お万を呼んでくれ」
言うまでもなく、ガラッ八は飛んで行って、お勝手から山出しらしい下女をつれて来ました。
「なんだね、親分」
「ゆうべ、お勢が葛根湯を飲むところを見たのか」
平次の問いは不思議でした。
「見ませんよ。この四畳半の入口でお嬢さん(お秀)に渡しただ」