Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.244 Zeichen · 231 Bildschirme
あれほど確かな縁切りはない」
鉄之助の痩せた頬には、苦渋な笑いが淀むのです。
「それで旦那は?」
「綺麗さっぱり諦めたよ。本人から後腐れないような挨拶をされちゃ、男の方から未練を言う筋はあるまい。――あの女は多勢の男へ付き合って、その一人一人を鏡にして、自分の才智や愛嬌や弁舌や容貌を映して楽しんでいたんだね。俺や金五郎や若吉に気があったわけでも何でもないのさ、あの女の心はいつでも勘定ずくで冷たくなっている――三十五になる意気地のない伊勢屋の治三郎のところへ嫁く気になったのはそのためさ。――あの女は火の燃えるような女だが、昨夜は冷んやりとするほど冷えきっていたよ。へッ、へッ」
鉄之助はそう言いきって、にがにがしく笑いを絞り出すのです。
「旦那は昨夜どこへも出ませんか」
「お由良を追っかけて行って、野良犬のように斬って捨てようかと思ったが、止したよ。祖先や故主のお名が出ちゃ済まない」
「…………」
「婆アに五合取って貰って、手酌でやらかして寝てしまった――惜しいと思ったが、一と足も出なかったよ」
お勝手の方でゴトゴトやっている六十がらみの雇婆さんに訊いても、その言葉に嘘はありません。