Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
「フーム」
話はだいぶこんがらかりました。
「林太郎様は許嫁のお礼にすっかり夢中で、祝言の日を楽しみにしていたと言いますぜ」
「…………」
「腰元のお組も綺麗な娘だが、育ちの良いせいか堅い一方で、おまけに林太郎様は、名代の堅造と来ているから、二人は冗談口一つきいたこともない。手に手を取って夜逃げなどは以ての外――とこれは御近所や屋敷の奉公人たちの噂だ」
「フーム」
「親御の庄司右京様は、中風で身動きも覚束ないが、恐ろしく気が確かな上、弓町きっての一徹者だ。病気の父親を見捨てて奉公人と夜逃げをするような倅に用事はない、久離切って勘当の上、甥の助十郎を入れて跡取りにし、明日は親類中を呼んでその披露をした上、翌る日はすぐ公儀の御届を済ませ、石崎平馬が承知なら、娘のお礼をそのまま嫁にして、助十郎と娶合せると言い出した」
「その通り運んでいるのか、八」
「あっしのせいじゃありませんよ親分、そんな怖い眼をしたって」
「一緒に逃げたはずのお組は、取揚げ婆アのお早の家の二階に一と月も押し込められ、可哀想にあんな手紙を書いたり一生懸命の合図を工夫して援けを呼んでいたじゃないか。若様の林太郎だってどこでどんな目に逢ってるか判ったものか」