Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
八五郎が帰って来たのは、その日も暮れてからでした。
「どこだ八」
平次もツイ、落着かない心持で待ち構えていたのです。
「お弓町の旗本、千三百五十石取の庄司右京様屋敷。源次はそこに三年も奉公して、この春暇を取りましたよ」
「その屋敷で女中がいなくなったのか」
「聴いて下さいよ親分、――そのお屋敷の御当主庄司右京様は二年前から軽い中気でお役御免になり引籠り中大変なことが始まった」
「…………」
「惣領の林太郎様、二十三になる良い息子だが、ブラブラ病いでお引籠りと言うのは世間体の表向きで、その実、お腰元のお組という十九になる綺麗なのとちょうど一と月前の先月の十三日の晩に手に手を取って夜逃げをしてしまった」
「そのお組がお早のところに押込められたのも先月の十三日の晩だ」
「だから変じゃありませんか」
「水下駄を履いて、握りっ拳で道行きをする女があるものか――まアいい、それからどうした、中休みをせずに話してしまえ」
「若様の林太郎様は、同族石崎平馬の二番目娘、――これはお組へ輪をかけたほどの綺麗な天人娘お礼殿と祝言することになっていた。だから腰元風情と夜逃げをするはずはない――とこいつは庄司の屋敷中のヒソヒソ話だ」